専門ソフトの使い方を解説する学習サイトは、コンテンツ量が増えるほど各記事の評価が分散しがちです。今回は SEOの基礎を整え、記事構成を再設計するだけで検索流入を1年で約2倍に伸ばした事例 をご紹介します。SEOは難しそうに聞こえますが、やること自体はシンプル。「誰に・何を伝えるか」を整理し、検索エンジンに正しく届けるだけで効果は着実に現れます。
導入サイト情報
- 業種:クリエイティブソフトの学習ポータル(社名・ブランド名は非公開)
- ページ数:約800記事(チュートリアル・ヒント集など)
- 主な収益モデル:会員登録・メールマガジン経由のソフト購入誘導
- 課題発生当時の月間検索流入:およそ5万セッション
導入前の悩み
- 検索順位の伸び悩み
「〇〇の使い方」「△△ チュートリアル」のような重要キーワードで 20位〜30位が多く、クリックが伸びない。 - 記事テーマが重複
似た内容の記事が乱立し、内部競合(カニバリゼーション)が発生。Google が「どの記事を評価すべきか」判断に迷う状態。 - 技術的SEOの欠落
見出し(Hタグ)の使い方やメタディスクリプションが統一されておらず、検索エンジンから見てページの主題が分かりづらい。
取り組み内容
1. コンテンツ棚卸しとテーマ整理
- 800記事を 17テーマのカテゴリー に再分類。
- 似た記事を統合し、重複を約120記事削減。
2. キーワードマッピングと内部リンク設計
- 主要キーワードを 検索意図(How/What/Why)別 に整理。
- 各記事の主キーワードを1つに絞り、カテゴリー内で 親子構造(ピラー&クラスター) を構築。
3. 技術的SEOの改善
- 全記事の タイトルタグ・メタディスクリプション を統一フォーマットで書き直し。
- H1〜H3の階層ルールを定義し、CMS(WordPress)テンプレートに反映。
- 構造化データ(HowTo, FAQ) を導入し、検索結果でリッチリザルトを獲得。
4. 進捗モニタリングと月次改善
- Looker Studioで 「キーワード順位」「CTR」「セッション数」 を自動可視化。
- 月次で低順位記事を洗い出し、タイトルABテストや追記・再構成を実施。
導入後の成果(12か月後)
指標 | 施策開始時 | 12か月後 | 変化 |
---|---|---|---|
月間検索流入 | 5万PV | 11万PV | +120% |
Googleトップ10入りキーワード数 | 180語 | 420語 | +133% |
メールマガジン登録率 | 1.8% | 3.2% | +1.4pt |
ページ平均表示速度 | 4.3秒 | 2.1秒 | ▲2.2秒 |