リスティング広告のやり方を簡単解説！運用のコツと自分でやりがちなNG行為

リスティング広告とは、インターネット上で特定のキーワード検索に応じて表示される広告のこと。

ユーザーの検索意図と直結し、潜在顧客にダイレクトにアプローチできるため、マーケティング戦略として高い効果を期待できます。

しかし運用を始めると、ターゲットの特定や予算の配分、キーワード選択など、初心者が直面する課題は少なくありません。

やりがちなNG行為を避け、適切な方法で広告を出稿することがリスティング広告を成功させる鍵となります。

この記事では、リスティング広告の基本的なやり方から、避けるべきNG行為までを簡単に解説。

リスティング広告の運用のコツをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

リスティング広告の基礎知識

リスティング広告の運用を成功させるには、まず基礎知識を身につけることが重要。

広告の仕組みや運用の方法、そして効果的なキーワードの選定方法など、基本的な知識が不可欠です。

正しい基礎知識を持つことで、適切な戦略を立て、コストを効率よく管理し、リスティング広告のパフォーマンスを最大化することができますよ。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahoo! などの検索エンジンで、ユーザーが入力したキーワードに基づいて表示される広告のこと。

ユーザーの検索意図と直結するため「キーワード広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。

リスティング広告の特徴は、検索結果ページにおいて、広告であることを示す「スポンサー」という表記があること。

ユーザーは広告であることを認識した上でリンクをクリックします。

リスティング広告の掲載位置

リスティング広告は、検索結果の上部や下部に表示されます。

そのため、リスティング広告を使用すると、SEO対策をしたウェブサイトよりも上位に表示されることが多いです。

多くのユーザーの目に触れる機会が増え、ウェブサイトへの訪問者数を増やすことが期待できます。

リスティング広告の費用

リスティング広告の費用は、広告がクリックされるたびに発生する「クリック単価（CPC）」と、その広告がクリックされた回数で計算されます。

これは「クリック課金型」とも呼ばれ、広告が検索結果に表示されてもクリックされなければ費用はかかりません。

クリック単価は、オークション制で決定。

広告主が特定のキーワードで広告を表示させたいとき、他の広告主と競り合い、オークションで落札します。

人気のキーワードほど、多くの広告主が狙っているので、クリック一回あたりの費用は高くなる傾向に…。

さらに、よく検索されるキーワードは競争が激しいため、そのキーワードで広告を出すための最低入札価格も高く設定されます。

検索ボリュームの大きいキーワードは、広告を表示させるコストも上がるわけです。

リスティング広告の予算相場

リスティング広告の予算は、出稿する商品やサービスによって異なります。

一般的には月額20万円から30万円程度が相場です。

また、Googleのリスティング広告は、最低でも1,000円から始められるため、広告運用が初めての方でも少額からスタートすることが推奨されます。

予算は「目標獲得単価（CPA）✕目標獲得数（CV）」から必要予算を算出しましょう。

たとえば、目標獲得単価（CPA）10,000円、目標獲得数（CV）500としたとき、5,000,000円の予算が必要となります。

リスティング広告の予算を決める際は、広告を運用する目的や目標獲得数（CV）を明確にしましょう。

リスティング広告のメリット・デメリット

メリット	デメリット
・顕在層を集客できる ・即効性がある ・低価格から運用できる ・ターゲットを絞れる ・配信の開始 ・停止がすぐできる ・リアルタイムで分析できる ・ユーザーのデータを集められる	・潜在層の集客には向かない ・広告を嫌がるユーザーは集客しにくい ・成果に天井がある ・競合の多いキーワードはクリック単価が高くなる ・運用コストがかかる ・広告をストップすると集客がゼロになる

リスティング広告は顕在層を集客できるため、すぐにサービスの申し込みを増やしたいときに効果的です。

また、広告の配信先を絞れるので、効率的にターゲティングできます。

リスティング広告の流入からユーザー情報を集めて、マーケティング施策に反映することも可能です。

ただ、潜在層を集めて認知拡大を行いたい場合、リスティング広告は不向き。

とくに人気キーワードは、広告掲載の回数が思うように確保できないケースもあります。

長期的な視点で見て、より大きな成果を目指す場合は、SEO対策とリスティング広告を組み合わせるのがおすすめ。

中長期での集客が得意なSEOを併用することで、リスティング広告での集客とは異なるユーザーを獲得できますよ。

リスティング広告の運用方法は3つ

広告代理店に運用を依頼する

広告代理店にリスティング広告の運用を依頼する方法があります。

自社での運用にかかる手間や時間を大きく削減できるのがポイントです。

また、広告のプロフェッショナルが運用を担当するため、広告効果を最大化するための戦略立案や最適化が期待できます。

ただ、広告代理店に依頼する場合、運用手数料が発生します。

一般的に広告予算の約20%程度が運用手数料の相場。

広告予算を確保できる規模であれば、広告代理店への依頼を検討するのがおすすめです。

広告の専門知識がなかったり社内リソースが限られていたりしても、効果的なリスティング広告の運用を実現できますよ。

運用ツールを活用する

ツールのジャンル	概要	ツール例
自動運用	予算管理や入札調整などの調整を自動で行ってくれる	Shirofune
キーワード	キーワード調査に役立つ	・Googleキーワードプランナー・ラッコキーワード
レポーティング	レポートを自動で作成してくれる	・アドレポ・Lisket

運用ツールを活用することで、広告運用にかかる人的リソースを減らして、効率的に運用できます。

とくに、複数のアカウントを扱う場合や業務効率化をすすめたいときに、運用ツールの活用がおすすめです。

リスティング広告の運用において、効率化したい業務を明確にした上で、適切なツールを導入しましょう。

自分で運用する

自身で運用すれば、費用をおさえられます。

とくに広告予算が10万円程度の場合は、自分で運用することをおすすめします。

広告代理店に運用を依頼すると、運用費用の約20%が手数料として発生するのが一般的。

また、広告予算が低いと出稿にかけられる金額が低く、効果を感じられにくかったり、請け負ってくれる業者を見つけられなかったり…。

ただ、専門的な知識がなければ、リスティング広告の運用ノウハウが身につくまで、試行錯誤が必要になります。

予算を確保できていて、すぐに成果を出したい場合は、専門知識を持つ広告代理店への依頼を検討しましょう。

戦略立案や運用の最適化が期待できますし、プロからノウハウを学べるので、行く行くはご自身で運用できるようになりますよ。

リスティング広告のやり方・手順を簡単解説

Googleアカウントの作成

Googleのリスティング広告を運用する場合、以下の手順でGoogleアカウントを開設します。

1. Googleアカウントのログインページにアクセスする
2. 「アカウントを作成する」をクリックする
3. 使用用途を選ぶ
4. 姓名を入力する
5. ユーザー名を入力する
6. パスワードを入力する
7. 「次へ」をクリックする

Google広告のアカウントを作成

Google広告のアカウントの作成手順は、以下のとおりです。

1. Google広告のトップページから「今すぐ開始」をクリックする
2. 「エキスパートモードに切り替える」を選ぶ
3. 「キャンペーンなしでアカウントを作成」をクリックする
4. ビジネス情報を入力して「送信」をクリックする
5. 「送信」をクリックする

Google広告のトップページにアクセスしたら、画像中央の「今すぐ開始」をクリックしましょう。

「エキスパートモード」に切り替えて「キャンペーンなしでアカウントを作成」を選んだら、以下の情報を入力して開設手続きを進めましょう。

新しいキャンペーンを作成

Google広告のアカウントができたら、「概要」ページの「新しいキャンペーンを作成」を選びます。

キャンペーンを設定する

新しいキャンペーンを作成したら、広告運用の目的に合う「キャンペーン目標」を選びましょう。

キャンペーンタイプは「検索」を選択します。

「ウェブサイトへのアクセス」を選択し、自社のウェブサイトを入力しましょう。

リスティング広告からの目標コンバージョンを選びます。

広告の単価設定を行い、リスティング広告の効果を高めましょう。

重視している要素ごとの特徴は以下のとおりです。

項目	特徴
コンバージョン	コンバージョン数が最大化されるように調整される
コンバージョン値	ROASが目標値になるように調整される
クリック数	クリック数が最大化されるように調整される
インプレッションシェア	表示機会に対して、目標の掲載位置に何%掲載するか設定できる

リスティング広告のみを運用する場合は、ネットワークの設定で、ディスプレイネットワークのチェックを外しましょう。

また、広告を配信する対象地域、言語、オーディエンスセグメント、部分一致キーワードを設定します。

対象地域やオーディエンスセグメントなどを設定することで、細かくターゲティングできます。

広告グループの設定

広告グループの作成画面から、広告文を設定できます。

キーワードには、ユーザーが検索する広告掲載したいキーワードを入力します。

最終ページのURLと広告見出し、広告説明文を入力したら、プレビュー画面で掲載される広告の内容を確認しましょう。

1日の平均予算を設定する

「予算」から1日の平均予算を設定しましょう。

予算の設定を間違えると、高額な広告費用がかかるため、注意が必要です。

予算は「￥」マークの入力欄に記入しましょう。

はじめてリスティング広告を出稿する場合は、1日の平均予算を1,000～5,000円に設定することが推奨されています。

広告の内容を確認

広告の情報を入力できたら、広告内容を確認しましょう。

作成した広告の内容を確認し、問題がなければ『キャンペーンを公開』をクリック。

問題点があると修正箇所が表示されるので、不備があった場合は修正します。

設定内容に間違いがないか必ず確認し、問題がなければ広告の運用をスタートしましょう。

広告審査に通過する

Googleの広告には審査があり、リスティング広告の情報を入力したら審査結果を待ちます。

リスティング広告の審査には0～1営業日ほどかかります。

審査に通過するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。

項目	ポイント
広告	Google広告の入稿規定を守る
キーワード	キーワードと広告文の関連性を高める
リンク先のWebサイト	・リンク先のWebサイトとキーワードが一致するようにする ・ガイドラインに沿っているか確認する

広告やアセットを作成・編集すると、自動的に審査プロセスが始まるため、入稿規定や広告掲載ポリシーを事前に確認しておきましょう。

Google 広告のポリシー – Google 広告ポリシー ヘルプ

広告の審査プロセスについて – Google 広告ポリシー ヘルプ

広告運用を開始し効果を確認する

リスティング広告を運用し始めたら、効果を定期的に検証し、効果が十分に出ていない場合は出稿内容を調整しましょう。

CV数が増えていなかったり、CPAが高かったりする場合、キーワードや広告文、ターゲティングなどを調整する必要があります。

広告の効果を確認するための指標

リスティング広告の運用成果を分析する際は、以下の指標を確認しましょう。

指標	特徴
インプレッション数	リスティング広告が検索画面に表示された回数
クリック数	リスティング広告がクリックされた回数
クリック率	リスティング広告が表示された回数の中で、クリックされた割合
コンバージョン数	ユーザーが指定したアクションに至った回数 例）・購買・お問い合わせ・資料請求 など
コンバージョン率	Webサイトに遷移したユーザーの中で、コンバージョンした回数の割合
コンバージョン単価	費用 ÷ コンバージョン数

上記の指標の中で、どの指標の数値が低いかを分析し、改善方針を考えましょう。

リスティング広告の効果的な運用方法！4つのコツ

ターゲットユーザーを明確にする

リスティング広告での成果を高めるためには、ターゲットユーザーを明確にすることが大切です。

ターゲットとなるユーザーがどのような悩みを持ち、何を求めているのかを深く掘り下げ、ニーズに合わせたキーワード選定と広告文を作成しましょう。

ターゲットユーザーを明確にする際は、自社サービスの利用者の情報を収集したり、ユーザーインタビューなどを行ったりすることが重要です。

適切なキーワードと魅力的な広告文によって、より多くのクリックを獲得し、効率的な広告運用ができますよ。

効果的なキーワードを選定する

リスティング広告での成果を向上させるためには、効果的なキーワードの選定が欠かせません。

コンバージョン（CV）数の増加やコストパーフォーマンス（CPA）の最適化に直結するため、慎重にキーワードを選びましょう。

コツ	説明
キーワードプランナーの利用	Google Adsのキーワードプランナーを使用して、関連性の高いキーワードを見つけ、検索ボリュームを確認。これにより、必要な広告予算の見積もりが可能になります。
検索ボリュームの分析	高い検索ボリュームを持つキーワードは競争が激しい可能性があるため、目標オーディエンスに効率的にリーチできる適切な検索ボリュームのキーワードを選択します。
除外キーワードの設定	広告表示を望まない語句を除外キーワードとして設定し、不要なクリックによる予算の浪費を防ぎます。例: ビジネスモデルに合わない「無料」などの語句。
コンバージョンに結びつくキーワード選定	購入や問い合わせなど、ユーザーが望むアクションに至る可能性が高いキーワードを選定。これが高ROIを達成するための鍵となります。

コンバージョンに繋がりやすいキーワードを選定して、広告の費用対効果を高めましょう。

魅力的な広告文を作成・改善する

ターゲットユーザーの注目を引き、クリック率やコンバージョン数を向上させるには、魅力的な広告文の作成が欠かせません。

項目	説明
広告見出しの工夫	広告文の青字で表示される「広告見出し」には、インパクトのあるメッセージやユーザーのニーズに応えるフレーズを入れることで、最初の注目を引きます。
説明文の明確化	「説明文」では、商品やサービスの利点や特徴を具体的な数字やデータを用いて詳しく説明し、信頼性と説得力を高めます。
広告文と説明文の統一性	広告文と説明文に重複がないようにし、一貫性のあるメッセージを伝えることで、広告内容の理解を深め、ユーザーをクリックに導きます。
独自性の強調	競合との差別化を図るために、自社の独自性や実際のユーザー満足度が高かった点を広告文に盛り込むことで、他社との比較で優位性をアピールします。

見出しや説明文などを工夫し、ターゲットユーザーに響く広告文を最適化していきましょう。

効果を測定して改善を繰り返す

リスティング広告は、定期的な測定を行い改善していくのがポイント。

5つのステップで広告のパフォーマンスを最適化しましょう。

リスティング広告を始めるときの注意点とやりがちなNG行為

リスティング広告を開始する際には、Google広告のポリシーを理解し遵守することが非常に重要です。

とくに注意すべき点とやりがちなNG行為について解説します。

審査落ちあり！Googleのルールを把握する

Googleのリスティング広告には出稿時に審査があるので、Google広告のポリシーを把握しておくことが大切です。

Google広告では、4つの広告掲載ポリシーを定めています。

• 禁止コンテンツ：Google ネットワークで宣伝することが禁止されているコンテンツ
• 禁止されている行為：Google での広告掲載で禁止されている手法
• 制限付きのコンテンツと機能：宣伝は可能でも制限があるコンテンツ
• 編集基準と技術要件：広告、ウェブサイト、アプリに関する品質基準

Google 広告のポリシー – Google 広告ポリシー ヘルプ

それぞれのポリシーを守ることで、審査に通る可能性が高まります。

記号・スペースの乱用や、薬事法に抵触するような文言、「日本一」「世界初」などの最上級表現は、審査に落ちる恐れがあるため、避けましょう。

NGキーワードは使用しない

リスティング広告には、使用が禁止されているNGキーワードがあります。

NGキーワードを広告文に入れてしまうと、広告を配信できません。

以下のようなNGキーワードは避けましょう。

• 会社名・商標名
• 著作権侵害に該当するキーワード
• 最上級表現
• 公式サイトと誤認させるキーワード・表現
• 広告主が指定しているNGキーワード

商標名を避けたり他のキーワードと組み合わせたりして、NGキーワードの利用を控えるのがポイントです。

競合他社が注力するキーワード以外を狙う

競合が注力しているキーワードはクリック単価が高騰しやすいため、よりニッチなキーワードを狙うのがおすすめ。

コストを抑えつつ効率的なアプローチが可能になります。

自社の商品やサービスが競合に比べて優れている点を明確にし、ニッチなキーワードを選定します。

また、当たり前ですが、自社の弱みや競合より劣っている点ではなく、顧客にとってのメリットや解決できる問題を強調するキーワードを選びましょう。

3C分析やSWOT分析を取り入れると、自社の強みが明確になり、独自性を押し出しやすくなります。

競合他社とのキーワードで直接競合することを避け、自社独自の強みや顧客のニーズに合わせたキーワード選定を心がけることが、リスティング広告の成功に繋がりますよ。

なんとなく予算を設定しないで公式を活用

リスティング広告の予算を立てるときは、「目標獲得単価（CPA）✕目標獲得数（CV）」から算出しましょう。

1人あたりの獲得単価と目標獲得数を明確にしておくと、予算を立てやすいです。

予算を事前に設定しておかないと、広告の運用費用を浪費してしまう可能性があります。

売上やCVのポイントを明確にすることで、リスティング広告に必要な予算を明確にできます。

リスティング広告に不安や迷いがあるなら…プロに相談

リスティング広告は、ユーザーの検索行動に直接連動するため、特に意図した顕在層を効果的に集客するのにおすすめです。

ただ、適切なキーワード選定や魅力的な広告文の作成ができなければ、リスティング広告の効果を最大限得るのは難しいでしょう。

もし運用方法に不安や迷いがある場合は、経験豊富なプロフェッショナルや広告代理店に相談してみると◎。

リスティング広告の戦略立案から実行、効果測定に至るまで、リスティング広告での集客を成功に導くためのサポートをしてくれるので、心強いですよ。