求人レポート

2026年版:パート時給1,426円。「安い労働力」という前提が崩れた

オフィスでノートパソコンを囲み、賃金上昇や生産性のデータを確認している4人のチームメンバー。背景のモニターには「Wages(賃金)」「Productivity(生産性)」のグラフが表示されており、前向きかつ活発に戦略を練っている様子

2025年12月時点でパートタイム時給は1,426円(前年比4.2%増)に達し、フルタイム換算で月給約22万円相当。最低賃金も全都道府県で1,000円を超え、「時給1,000円以下の労働力」は日本から消滅した。パートを「安い調整弁」として使うビジネスモデルは成立しなくなっている。

パート時給の現状 — 1,426円時代の到来

厚生労働省の毎月勤労統計調査(2025年12月)によると、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,426円に達した。

前年同月比で4.2%もの上昇だ。

ディップの調査(2025年11月)でも、アルバイト・パートの募集時平均時給は全国平均で1,360円

三大都市圏の派遣スタッフは1,609円と、1,600円台が当たり前になった。

最低賃金の全国加重平均も1,121円となり、全都道府県で1,000円を超えた(厚労省/JILPT 2025年10月)。

「時給1,000円以下の労働力」は日本から消滅した。

フルタイム換算のインパクト — 月給22万円相当の衝撃

時給1,426円は、フルタイム換算で月給約22万円に相当する。

この数字が意味するのは、「パートを安く使って利益を出す」というビジネスモデルの終焉だ。

売上高人件費率が数ポイント上がるだけで、利益率の低い中小企業の経常利益は吹き飛ぶ。

パート1人あたりの年間コストを試算すると、時給1,426円×週20時間×52週で約148万円

フルタイムなら約297万円だ。

「安い労働力」として5人使えば年間740万円。

正社員1.5人分の人件費に相当する。

業種別に何が起きているか — パート依存の高い業種ほど直撃

パート比率が高い業種ほど、影響は深刻だ。

飲食業は売上に占める人件費率が30〜40%に達する業態も珍しくない。

時給が4%上がれば、そのまま利益を削る。「売上はあるが利益が出ない」から、「人件費を払うために借入する」という自転車操業に陥る企業が2025年に続出した。

小売業やサービス業も同様だ。

レジ、品出し、清掃。

パートで回してきたオペレーションのすべてにコスト増がのしかかる。

相談で見えてくるのは、「人を増やせば売上が上がる」という前提そのものの崩壊だ。

パートを1人増やしても、そのパートの人件費を回収できるだけの粗利が出ない。

増やせば増やすほど赤字が広がる構造に、多くの経営者がまだ気づいていない。

ある会社では「忙しいからパートを2人増やしたい」と相談を受けた。

しかし試算すると、2人分の年間コスト約296万円に対して、その業務が生む追加粗利は年間200万円以下。

採用した瞬間から赤字だ。

「忙しい=人を増やす」という思考パターンが、利益を食い潰している。

パート依存から脱却するには — 少人数で回すオペレーション

2026年、パートを「安い調整弁」と見る発想は捨てるべきだ。

時給1,426円に見合わない業務は、廃止するか自動化するか。

少人数で回るオペレーションを構築するか。

パートの「人数」ではなく「生産性」で勝負する発想が求められている。

業務効率化ツールの導入は月3〜10万円。

年間でも36〜120万円で、パート1人分の年間コスト148万円より安い。

しかもツールは「辞めない」し「シフトの穴」も生まれない。

ホームページを営業マンにすることで売上の入口を広げれば、少人数でも収益を確保できる。

パートを増やして売上を伸ばすのではなく、仕組みで売上を伸ばしてからパートの生産性を上げる。

順番を逆にすることが、1,426円時代の経営の鍵だ。

→ 関連記事:2026年版:年収の壁が変わっても人は増えなかった。パート依存経営の限界

→ あわせて読む:最低賃金1,500円時代、中小企業はどう生き残るか

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