「マニュアルを作ろうとは思っているけど、なかなか進まない」と感じていませんか?
この記事では、業務のマニュアル化で[属人化]を解消するための具体的な進め方と、多くの会社が最初でつまずく理由をお伝えします。
業務のマニュアル化とは何か:属人化解消の基本
業務のマニュアル化とは、特定の人しか知らない仕事のやり方を、誰でも読めば同じようにできる形に整理することです。
具体的には、以下の3つのステップで進めます。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 洗い出し | 誰が担当しているか不明な業務を特定する | 「この仕事、○○さんしかわからない」を拾う |
| 文書化 | 手順・判断基準・注意点を書き出す | 完璧にしない。80点でいい |
| 共有・運用 | チームに共有し、実際に使って更新する | 使われないマニュアルに意味はない |
ただし、マニュアル化は「作ること」が目的ではありません。
「誰でも同じ品質で業務を回せる状態」をつくることが目的です。
この前提を間違えると、せっかく作っても棚に眠ったままになります。
業務標準化として機能させるには、運用まで設計することが大切です。
「進まない」本当の理由は、完璧を目指しているから
正直に言うと、マニュアル化が進まない会社の大半は、最初から完璧なものを作ろうとしています。
相談で多いのが「フォーマットをどうするか」「どこまで細かく書けばいいか」という声です。
でも考えているうちに時間だけが過ぎ、結局何も残らない。
これがほとんどのパターンです。
こういうこと、ありませんか?
- 「ちゃんとしたマニュアルを作るなら時間が必要」と、ずっと後回しにしている
- ベテランの田中さんに書いてもらおうとしたが、忙しくて一向に進まない
- 一度作ったマニュアルが古くなり、誰も使わなくなって放置されている
3つ目は特によく見るケースです。
作るコストをかけたのに使われない。
その経験があるから、また作る気になれないという悪循環です。
「マニュアル化、どこから始めればいいですか?」と聞かれたら、私は「明日誰かが辞めたとき一番困る業務を1つ選んで、箇条書きで10分書いてください」と答えています。
完璧なものを後で作るより、80点のものを今日作る方がずっと価値があります。
数字で見るマニュアル化の効果と現実
マニュアル化に取り組んでいる中小企業は、まだ少数派です。
kubell社の2025年調査(n=1,093)によると、マニュアル化に取り組む中小企業は27.8%にとどまり、7割以上が未着手の状態です。
一方、取り組んだ企業の評価は高い結果が出ています。
anyのナレッジマネジメント白書(2023年、n=1,000)では、業務の知識・ノウハウ管理に取り組んだ企業の約80%が効果を実感しています。
つまり、始めさえすれば成果につながる可能性は高いと言えます。
業務の標準化が進むと、担当者間の作業時間の差も縮まります。
東京海上ディーアールの調査では、同じ業務を主担当者と代替者が行った場合、作業時間に約1.8倍の差があることが示されています。
マニュアル化によってこの差が縮小できれば、特定の人への依存を減らすことができます。
また、中小機構の2024年調査(n=1,000)では、業務のIT化に取り組んだ企業の81.6%が成果を感じています。
マニュアル化はIT化の前提になる作業でもあるため、一石二鳥の投資と言えます。
まとめ
業務のマニュアル化は、属人化を解消するための最初の一歩です。
完璧を目指さず、「明日困る業務を1つ、今日80点で書く」ことから始めてください。
中小企業の7割以上が未着手ですが、取り組んだ企業の約80%が効果を実感しています。
まずは話を聞いてみたい、という方も歓迎です。オンラインで60分、あなたの会社の状況をお聞かせください。
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