「担当者が休んだだけで、業務が止まってしまった」。
こういう話は珍しくありません。
この記事では、中小企業でよく見られる[属人化]の解消パターンと、実際にどんな手順で脱却するかをお伝えします。
属人化解消の事例でよく見られる3つのパターン
属人化の解消事例として相談でよく出てくるのは、主に3つのパターンです。
| パターン | 典型的な業務 | 取った手順 |
|---|---|---|
| マニュアル化 | 受発注・問い合わせ対応・経費処理 | 担当者の頭の中を手順書に書き出す |
| 業務標準化 | 製造・品質チェック・顧客対応 | 誰がやっても同じ結果になるフローを設計 |
| ITツール活用 | 在庫管理・日報・スケジュール共有 | クラウドツールで情報を「見える化」 |
最初に取り組むのはマニュアル化です。
なぜなら、手順書がなければITツールを入れても誰も使えないからです。
具体的には、今の担当者が「自分がいなくても後任が同じ品質でできるか」を基準に、1業務ずつ書き出すことから始めます。
最初から完璧に仕上げようとせず、A4で1〜2枚の簡易版で十分です。
「解消できている会社」と「できていない会社」の分かれ目
正直に言うと、属人化の解消に着手しても、途中で止まる会社のほうが多いです。
相談で多いのが「マニュアルを作り始めたけど、日々の業務が忙しくて更新できなくなった」というパターンです。
担当者が孤独に作業して、誰もフォローしないまま放置される。
こういうこと、ありませんか?
- ベテランの担当者が「自分の仕事を手放したくない」と消極的になっている
- マニュアルは作ったが、新しい担当者が「実際のやり方と違う」と言い出した
- IT化を導入したが、使うのが「ITに詳しい一人」だけで結局また属人化した
失敗する会社は、「ツールや手順書を作ること」が目的になっています。
本来の目的は「誰でも同じ仕事ができる状態」です。
仕組みを作ったら、実際に機能するか確認する工程がいります。
「次の担当者が一人でできたか」を試して初めて、解消が完了したと言えます。
データで見る「業務標準化」の効果
業務標準化の効果を数字で見てください。
中小機構の2024年調査では、DXに取り組んだ中小企業の81.6%が成果を実感しています。
成果の内訳は「業務の自動化・効率化」と「コスト削減・生産性向上」が上位です。
つまり、IT化の効果の多くは「人への依存を減らすこと」から生まれています。
作業時間の格差も問題です。
東京海上ディーアールの調査では、製造業において主担当者と代替者の作業時間が約1.8倍開いていることが示されています。
同じ仕事なのに、担当者が変わるだけで1.8倍の時間がかかる。
これが積み重なると、人手不足の体感がさらに悪化します。
標準化によってこの格差が縮まれば、実質的な生産性は採用なしで上がります。
一方、マニュアル化に取り組んでいる中小企業はまだ27.8%にとどまります(kubell、2025年)。
裏を返せば、7割以上の中小企業が、今もベテランの退職や急な欠勤のリスクにさらされたまま経営を続けているということです。
まとめ
属人化の解消事例に共通するのは「小さく始めて、試して、改善する」流れです。
最初から完璧な業務標準化を目指すより、一つの業務でマニュアルを作り、後任が実際に使えるか検証するほうが確実に進みます。
業務のIT化(属人化 DX)はその後の話です。
手順が決まっていない業務をIT化しても、混乱が広がるだけです。
順番を間違えないことが、解消への一番の近道です。
まずは話を聞いてみたい、という方も歓迎です。
オンラインで60分、あなたの会社の状況をお聞かせください。
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