経営課題のヒント

属人化はなぜ起きる?わざとやる人の心理と構造

属人化が起きるオフィスの様子。意図せず仕事を抱え込み忙殺されるスタッフの心理と、それを解決できない会社の構造を示すイメージ

「属人化しているのはわかってる。でも、なぜか直らない」。

そう感じている経営者は多いはずです。

この記事では、[属人化]がなぜ起きるのか、その原因と構造をお伝えします。

属人化がなぜ起きるのか:主な原因

属人化の原因は、大きく「構造的な要因」と「個人の行動要因」の2つに分けられます。

種類原因具体例
構造的な要因人手不足・業務過多引き継ぎする時間も人手もない
構造的な要因IT管理者の不在仕組みを整える担当者がいない
個人の行動要因意図的な囲い込み「自分しかできない」状態で存在感を示す
個人の行動要因無意識の属人化教えるより自分でやる方が早いと判断する

中小企業では構造的な要因が大半です。

人手が少ないなかで業務をこなすには、特定の人が「全部知っている状態」になることが一番効率的に見えてしまいます。

kubell社の2025年調査(n=1,093)では、属人化の最大の障害として「人手不足」が41%を占めています。

つまり、人が足りないから属人化し、属人化するから余計に人手が必要になるという悪循環が起きています。

「わざとやっている人がいる」は本当か

正直に言うと、意図的に属人化させようとしている人は少数派です。

相談で多いのが「うちの社員が仕事を抱え込んで困っている」という経営者の声です。

でも実際に話を聞くと、「本人も忙しくて教える時間がない」「マニュアルを作る余裕がない」というケースがほとんどです。

こういうこと、ありませんか?

  • ベテランのAさんに聞けばわかるからと、新人が毎回Aさんに確認するようになった
  • 経理の担当者が急病で休んだとき、誰も月次の締め方がわからなかった
  • 「自分がいないと会社が回らない」と感じているベテランが、後任育成に積極的でない

3つ目のケースは一見「わざとやっている」ように見えます。

でも、その人の立場で考えると、自分の仕事が誰でもできる状態になることへの不安から来ていることが多い。

悪意というより、自衛本能に近いものです。

「なぜ属人化してしまうのか」と聞かれたら、私は「そうならざるを得ない構造がある」と答えています。

個人を責めても変わらない理由がそこにあります。

数字で見る「構造的に属人化する」実態

属人化は意識の問題ではなく、構造の問題です。数字を見てください。

中小企業の情報システム担当者が「一人以下」の割合は88%にのぼります(ひとり情シス協会、2024年)。

業務のIT化やマニュアル整備を担う人間が、そもそも社内にいません。

これでは属人化しないほうが難しいと言えます。

また、70.5%の職場で属人化した業務が存在するという調査結果があります(taiziii、管理職200名、2025年)。

24.7%の経営者が「属人化が生産性の障害になっている」と認識しながら、対策が進まない理由もここにあります(kubell、2025年)。

問題はわかっている。

でも、解決に動ける人手がいないのです。

属人化を解消するための第一歩は、個人の努力に頼ることではありません。

「誰が見ても同じようにできる仕組み」を外部の力を借りながら整えることが、人手が少ない中小企業には現実的な選択肢です。

まとめ

属人化がなぜ起きるかの答えは、「構造的にそうならざるを得ない状況にある」ことがほとんどです。

意図的に属人化させようとしている人は例外で、大半は人手不足と仕組みの不在が原因です。

まずは話を聞いてみたい、という方も歓迎です。

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