「属人化は良くない、と言われるけど、本当にそうだろうか?」と思っていませんか?
この記事では、属人化のメリット・デメリットを整理し、中小企業の経営者が本当に意識すべきことをお伝えします。
属人化は悪くない面もある。ただし条件がある
結論から言うと、属人化そのものが悪いわけではありません。
問題なのは「管理できていない属人化」です。
属人化には、実際にメリットがあります。
| 側面 | 内容 |
|---|---|
| モチベーション | 自分にしかできない仕事は達成感につながる |
| 専門性 | 深い経験が品質や顧客信頼を高める |
| スピード | 担当者が集中することで意思決定が速くなる |
| 裁量 | 自律的に動ける環境がスペシャリストを育てる |
属人化とスペシャリストは似た概念に見えますが、違いは「代替可能かどうか」ではなく「組織が把握しているかどうか」です。
[属人化とは?|中小企業が放置してはいけない理由]でも、この区別を詳しく解説しています。
誰がどの業務をどのレベルで担っているかを経営者が把握していれば、属人化は「強み」になります。
把握できていなければ「リスク」に変わります。
「排除しろ」より「把握しろ」という話
正直に言うと、属人化の完全排除は中小企業では現実的ではありません。
相談で多いのが「マニュアルを作ろうとしたけど、現場が協力してくれなくて」という話です。
担当者本人からすると、自分のノウハウを文書化することは「自分の価値を下げる」と感じることがある。
その抵抗感は自然なことで、強引に排除しようとするほど逆効果になります。
こういうこと、ありませんか?
- 営業トップが辞めたとたん、その顧客との関係が一気に冷えた
- ベテランが急病で1週間休んだだけで、現場が回らなくなった
- 「あの件は山田さんしかわからない」という会話が社内で日常になっている
これらは全て、属人化が悪いのではなく「経営者が把握していなかった」ことが問題です。
担当者がいる間は機能する。
でも、その人がいなくなったときに初めて気づく。
それが放置された属人化の怖さです。
実際に排除してみた会社がどう変わったかは、[属人化を排除した結果|起きたこと・起きなかったこと]で紹介しています。
「属人化 悪くない?」と聞かれたら、私は「そもそも排除より先にやることがある」と答えています。
数字で見る。70.5%の職場に属人化が存在する
数字で確認します。
調査対象の職場で属人化業務が「存在する」と答えたのは70.5%。「まったくない」は10%のみです(taiziii 実態調査 管理職200名、2025年)。
完全排除ができている会社は、ほぼ存在しないのが現実です。
一方、放置のリスクも数字が示しています。
従業員退職を直接の原因とした倒産は2024年に87件と過去最多を記録し、前年から30%増加しています(帝国データバンク、2024年)。
これは「あの人がいなくなったら困る」という状態を放置した結果です。
つまり属人化のメリットを活かすか、デメリットに倒れるかは、経営者が「把握しているかどうか」で決まります。
担当者のスキルや担当領域を一覧で持っておくだけでも、リスクの大きさが見えてきます。
まとめ
属人化を完全になくす必要はありません。
ただし、「誰が何を知っているか」を経営者が把握しない状態を続けることには、倒産に直結するリスクがあります。
まずは「うちの会社で属人化している業務は何か」を書き出すことから始めてみてください。
何から手をつければいいか迷ったら、まずは話を聞いてみたい、という方も歓迎です。
オンラインで60分、あなたの会社の状況をお聞かせください。
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