経営課題のヒント

建設業の人手不足データ2026|倒産・求人倍率・高齢化の最新数字

夕暮れ時の建設現場を見晴らす高台に立ち、真剣な表情でタブレットを持つ青いTシャツ姿のアジア系女性。タブレット画面には「建設業人手不足データ2026」に関するグラフが表示されている。クレーンや夕日に染まる空、都市のスカイラインを背景にした、問題解決の決意を感じさせるシネマティックな16:9のアイキャッチ画像。

「仕事はある。人がいない。それでも倒産する」——

建設業の経営者からよく聞く言葉です。

2025年通年の建設業の倒産件数は、過去10年で最多となる2,000件超を記録しました(帝国データバンク調査)。

需要があるのに企業が消えていく。

この矛盾の正体を、最新データで見ていきます。

建設業の人手不足、2026年の実態はどれほど深刻か

結論から言うと、建設業の正社員不足率は全業種でトップクラスです。

帝国データバンクが2026年1月に実施した調査では、建設業の約7割が「正社員不足」と回答しました。

全業種平均の5割超を大きく上回ります。

しかも、パートやアルバイトで補える仕事ではありません。

施工管理技士、現場監督、有資格の技能者——代替のきかない「正社員」が足りません。

倒産件数:需要があるのになぜ消えるのか

2025年通年の建設業の倒産件数は2,000件超(帝国データバンク調査)。過去10年で最多です。

東京商工リサーチのデータによると、このうち「人手不足」を直接の原因とする倒産は93件(前年比22.3%増)。

全業種の人手不足倒産397件の約4分の1を、建設業1業種だけで占めています。

特に急増しているのが「従業員退職」による倒産です。

前年比54.9%増、約1.5倍に跳ね上がりました。

倒産の原因件数(全業種)前年比
人件費高騰152件+43.3%
従業員退職110件+54.9%
建設業の人手不足倒産93件+22.3%

(出典:東京商工リサーチ、2026年1月更新)

「新しい人を採れないから倒産する」のではありません。

「今いる中核人材を引き抜かれて現場が止まる」——

局面がそこまで変わってきています。

高齢化と小規模企業への集中

人手不足倒産全体の63.2%(251件)が、資本金1千万円未満の零細企業に集中しています(東京商工リサーチ、2026年1月)。

加えて、倒産企業の平均寿命は23.5年(同調査、2026年1月)。

創業したばかりの新興企業が消えているのではありません。

20年以上かけて地域の建設インフラを支えてきた老舗が力尽きています。

経営者の高齢化も深刻です(帝国データバンク調査)。後継者を見つけられないまま、人手不足が限界を超えて倒産に至るケースが増えています。

## 正直に言うと、「採用で解決しよう」という発想がまず危ない

正直に言うと、「採用難だから求人に力を入れる」だけでは、もう追いつきません。

相談でよく聞くのが「求人費を上げても応募が来ない」という話です。

賃上げを実施・予定する企業は83.6%に達しています。

一方で、中小企業で6%以上の賃上げを実施できる企業は7.2%にとどまります(東京商工リサーチ、2026年2月)。

採用競争は「工夫の問題」ではなく「資本力の問題」に変わりました。

こういうこと、ありませんか?

  • 見積もりを取ったら職人の手配がつかず、せっかくの案件を断らなければならなかった
  • ベテランの現場監督が辞めて、施工管理の書類作業が社長自身に集まってしまっている
  • 賃上げをしたいが、材料費と外注費の高騰で利益が出ておらず、原資をつくれない

これらは採用活動を強化しても解決しません。

「人が来ない」のではなく、「人を迎える体力と仕組みがない」という構造の問題です。

私がよく見るのは、現場以外の業務に有資格者の時間が吸い取られているケースです。

積算、書類作成、工程管理、取引先とのやりとり——こうした間接業務に時間を取られて、技能者が現場に集中できていません。

採用より先に、今いる人が動ける時間を増やす方が先ではないでしょうか。

「採用が先か、仕組みが先か」と聞かれたら、私は「仕組みを整えてから採用してください」と答えています。

データで見る「需要増×人手減」の矛盾

建設業の苦しさは、需要がないからではありません。

国土強靱化計画や老朽化インフラの更新、都市開発——仕事の総量は増えています。

それでも企業が消えていく。なぜか。

コスト構造が崩壊しているからです。

コスト増を「一部または十分に」価格転嫁できている中小企業は57.1%にとどまります(東京商工リサーチ、2026年2月)。

つまり4割強は、資材費や人件費の上昇を自社で吸収しています。

円安に起因する倒産は2026年2月時点で44か月連続で発生しています(同)。

輸入木材や鉄鋼材の高騰が、中小建設会社の体力をじわじわと奪い続けています。

さらに深刻なのは、価格交渉に踏み切れていない企業が7割以上を占めている実態です(同)。

「交渉したら次から仕事をもらえなくなる」という恐れから、赤字に近い条件でも受注を続けています。

比較項目採用で解決しようとした場合業務のIT化・仕組みで解決した場合
年間コスト目安求人費50〜100万円+入社後の育成期間ツール導入費10〜30万円(初期)
効果が出るまで即戦力でも半年〜1年書類業務なら1〜2か月で時間削減
リスク即戦力でも半年〜1年書類業務なら1〜2か月で時間削減
主な対象業務現場作業全般

採用で解決できるのは「現場の頭数」だけです。

書類作成、進捗報告、材料発注の管理——こうした間接業務を整理するだけで、今いる人員の稼働可能時間は増えます。

「採用できないなら、今いる人が動ける時間を増やす」。

この発想の転換が、現実的な次の一手です。

まとめ

建設業の人手不足は、構造的な問題です。

倒産件数は過去10年で最多の2,000件超。

人手不足倒産は93件(前年比22.3%増)。

従業員退職による倒産は約1.5倍増。

これらの数字は、採用を増やすだけでは追いつかない現実を示しています。

需要はある。

でも人がいない。

価格を上げられない。

仕事があるのに企業が消えていく。「需要増×人手減」のこの矛盾から抜け出すには、まず間接業務の整理とIT化で「今いる人が動ける時間」を確保することが現実的です。

まずは話を聞いてみたい、という方も歓迎です。

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