2025年春闘の結果、大企業(300人以上)の賃上げ率は5.33%、中小企業(300人未満)は4.65%だった(連合、2025年7月最終集計)。
0.68ポイントの差。数字だけ見れば小さく感じるかもしれない。
しかし問題は、この格差が縮まっていないことだ。
2024年(0.74ポイント差)からわずかに縮小したが、それ以前の0.0〜0.4ポイント台と比べれば依然として大きい。
さらに見落としてはならない事実がある。
連合の集計対象は「労働組合のある企業」に限られる。
従業員99人以下の企業の労組組織率はわずか0.7%(厚生労働省、2024年)だ。
労組のない中小零細企業の実態の賃上げ率は、さらに低い。
従業員20人以下の企業に限ると、正社員全体の賃上げ率は3.54%まで落ちる(日本商工会議所調査)。
この格差は何をもたらすか。人材の流出だ。
賃上げ余力のある大企業は、初任給や基本給を大幅に引き上げながら優秀な若手を吸い込んでいく。
一方、賃上げが追いつかない中小企業からは、エース級の中堅社員が「給与が高い会社に転職する」という形で次々と抜けていく。
2025年の「従業員退職型」倒産は、前年比1.5倍の増加だ(東京商工リサーチ、2026年2月)。
2026年春闘で連合は中小企業に「6%以上」の賃上げを求めている。
しかし5%以上の賃上げを予定している中小企業は35.5%にすぎない(東京商工リサーチ、2026年2月)。要求と現実のギャップは大きい。
採用と賃上げで大企業に対抗することは、中小企業には構造的に難しい。
人材の維持・確保を「賃金以外の要素」で補う発想が、今の中小企業には必要だ。
業務の自動化で負担を減らし、働きやすい環境を作ることが、賃金格差を補う現実的な手段になりえる。
→ 賃上げ問題の全体像はこちら:[中小企業が賃上げできない5つの理由【2026年版】]
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