政府は「2020年代中に最低賃金の全国平均1,500円」という目標を掲げている。
2025年度の最低賃金は1,121円(前年度比+66円、引き上げ率6.3%)となり、全都道府県で初めて1,000円を超えた(厚生労働省、2025年9月)。
この目標を達成するには、2025年度以降、毎年7.3%程度の引き上げが必要だ。
それに対して中小企業はどう答えているか。
「対応は困難(54.5%)」「対応は不可能(19.7%)」を合わせると74.2%が否定的な回答だ(日本商工会議所、2025年3月、3,958社回答)。
7.3%の引き上げに「対応可能」と答えた企業は、たったの1.0%にすぎない。
地方の小規模企業(従業員20人以下)では数字はさらに厳しく、「対応不可能」が4社に1社(25.1%)。
7.3%引き上げが実施された場合、休廃業を検討すると答えた企業は全体の15.9%、地方の小規模企業では20.1%、宿泊・飲食業では24.7%に達する。
最低賃金の引き上げは、経営者の意向に関係なく毎年発動される「強制賃上げ」だ。
2024年の改定で自社の従業員が最低賃金を下回り、やむを得ず賃上げした企業は44.3%にのぼる(日本商工会議所、2025年3月)。
地方ではこの割合が46.4%と、都市部(32.4%)を大きく上回る。
問題は賃上げそのものではない。
売上や生産性が上がらないまま、人件費だけが法律によって引き上げられる構造だ。
この「コストだけが上がる」状況に対抗するには、同じ人数でより多くの仕事をこなせる体制を整えるしかない。
業務の自動化、ホームページによる集客の効率化、AIを活用した生産性向上。
採用でコストを積み上げるのではなく、仕組みで生産性を上げることが、最低賃金引き上げ時代の現実的な突破口になる。
→ 賃上げ問題の全体像はこちら:[中小企業が賃上げできない5つの理由【2026年版】]
→ あわせて読む:[最低賃金1,500円時代、中小企業はどう生き残るか]
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