経営課題のヒント

人手不足業界ランキング2026|あなたの業界は何位?

2026年の人手不足とDX対策について議論する、青いTシャツを着た4人のプロジェクトチーム。オフィスでホワイトボードのデータとタブレットの正社員不足率グラフを見ながら話し合っている。

「人手不足」とひと言で言っても、業界によって深刻さはまったく違います。

2025年の人手不足倒産は427件で、初めて年間400件を超え3年連続で過去最多を更新しました(帝国データバンク)。

自社の業界が今どの位置にあるのか、最新データをもとに整理します。

人手不足業界ランキング【2025-2026年版】

5業界の深刻度を比較する

帝国データバンク(2025年10月)の調査をもとに、正社員不足率と人手不足倒産件数で業界を評価しました。

順位業界正社員不足率人手不足倒産件数特徴
1位建設業60%超113件(全業種最多)2024年問題で工期長期化
2位運輸・倉庫業67.1%(全業種最高)52件(過去最多)ドライバー不足が深刻
3位情報サービス(IT)60%超スキルミスマッチが常態化
4位医療・福祉(介護)50%超老人福祉21件2025年問題が顕在化
5位宿泊・飲食サービス40%前後省人化で対応が進む

(出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査」2026年1月発表)

注目すべきは「倒産件数」と「不足率」の両方を見ることです。

IT業界は不足率が高いが、単価を上げて採用競争に参戦できる。

建設・物流・介護は違う。「不足率が高く、かつ価格転嫁が難しい」という二重苦を抱えています。

業界横断で比べる3つの指標

業界正社員不足率人手不足倒産件数業況DI(商工会議所LOBO)
建設業60%超113件▲13.5
運輸・倉庫業67.1%52件▲8.4
情報サービス60%超
医療・福祉50%超21件(老人福祉)
宿泊・飲食40%前後▲10.0

(出典:帝国データバンク2025年10月調査、日本商工会議所LOBO調査2025年10月)

業況DIはマイナスが大きいほど経営環境が悪化しています。

建設業のDI▲13.5は、「技術者が足りず受注機会を失っている」という現場の実感と一致しています。

建設業の人手不足が深刻な理由

建設業は「不足率60%超」かつ「倒産113件」という、二重の意味で業界トップの深刻さです。

2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(建設2024年問題)の余波が、1年以上経った今も続いています。

週休二日制の導入により工期が延び、仮設機材の賃料や現場経費が増大。

そこに資材価格の高騰が重なり、利益率が圧迫されています。

深刻なのが、技術者・有資格者の枯渇です。施工管理技士や熟練職人が高齢化し、若年層の入職が進まない。

日本商工会議所の調査では、「技術者不足で受注を断らざるを得ない」という声が繰り返し報告されています。

話はここで終わらない。

2024年の能登半島地震の復旧工事でも、「入札に参加できない業者が続出した」という事態が起きています。

人手不足は、一企業の経営問題を超えて、地域の社会インフラを揺るがす問題になっています。

建設業の人手不足がなぜ構造的な問題になっているのか、詳しくは[建設業の人手不足はなぜ当たり前?経営者が知るべき3つの構造問題]で解説しています。

採用より先に手を打てることとして、現場のIT活用については[建設業の人手不足対策|採用より先にやるべきIT活用3選]を参考にしてください。

倒産113件という最新数字の詳細は[建設業の人手不足データ2026|倒産・求人倍率・高齢化の最新数字]にまとめています。

物流業の人手不足が止まらない理由

物流業(運輸・倉庫業)は、正社員不足率67.1%で全業種トップです。

3社に2社以上が、トラックはあるが運転手がいない状態に置かれています。

2024年問題(ドライバーの時間外労働規制)の施行から1年以上が経ちましたが、現場は改善していません。

1人あたりの走行可能距離が短縮されたため、同じ量の荷物を運ぶにはより多くのドライバーが必要になりました。

ところが、長時間労働・低賃金のイメージが定着した業界への応募は増えていません。

2025年に起きたのが「賃上げ格差による倒産」です。

大手物流企業は荷主との交渉力を背景に賃上げを実施できましたが、多重下請け構造の末端にいる中小運送会社は価格転嫁できず、ドライバーが大手へ流出。

52件の倒産は、この格差が生み出した結果です。

物流2024年問題が施行1年後にどうなったかは[物流2024年問題、結局どうなった?施行1年後のリアル]で詳しく解説しています。

荷主企業が今知っておくべきことは[物流の人手不足はなぜ?荷主企業が知っておくべきこと]を、2030年に向けた予測は[物流の2030年問題|荷物の3割が届かなくなる前にやるべきこと]を参照してください。

介護業の人手不足が構造的な理由

介護業(医療・福祉)の正社員不足率は50%超。しかも、構造的に解決が難しい。

介護報酬・診療報酬という「公定価格」によって収入の上限が決まっているため、他業界のようにコスト上昇分を価格に転嫁できません。

2025年の春闘で全産業平均5.52%の賃上げが実現した中、介護業はその原資を作れない。

結果として、賃金競争力が相対的に落ち、人材が他業界へ流出するという悪循環に入っています。

IMFの推計によれば、2040年には約57万人の介護人材が不足するとされています。

2025年は団塊の世代が全員75歳以上となる「2025年問題」の到達点でした。

需要は増え続けるのに、支える人手は減っていく。この需給ギャップは個社の採用努力で埋まるものではありません。

なぜこれほどまでに深刻な状態になったのかは[介護の人手不足はなぜ当たり前?経営者が知るべき本当の原因]で解説しています。

少ない人数で現場を回す方法については[介護施設の人手不足で回らない|少人数で回すIT活用法]を、倒産リスクの実態は[介護事業所の倒産が過去最多|閉鎖を防ぐために経営者がやるべきこと]でご確認ください。

人手不足対策|「採用では解決しない」という現実

正直に言うと、このランキングを見て「うちの業界も人手不足だから、もっと採用を頑張ろう」と考えた方には、少し立ち止まってほしいことがあります。

相談で多いのが、「求人を出しても応募がない」「やっと採用できたのにすぐ辞める」というケースです。それなのに、次の打ち手がまた求人費というループを繰り返している会社を何社も見てきました。

こういうこと、ありませんか?

  • 毎年、採用コストだけで100万円以上使っているが、常に人手不足
  • 新人を育てる時間がない。結局ベテランに負荷が集中する
  • 「次が来るまでの辛抱」と思いながら、5年が過ぎている

帝国データバンクの分析では、2025年の人手不足倒産427件のうち77.0%(329件)が従業員10人未満の小規模企業でした。

従業員が数名の会社でキーマンが1人抜けると、戦力の20〜50%を失うことになります。

「採用すれば解決する」という方程式は、すでに成立していません。

「採用がうまくいかないなら、仕組みで補う」という発想に切り替えた会社が生き残りつつあります。

建設業では現場管理のデジタル化、物流では配車・ルート自動化、介護では記録・報告書作成のIT化です。

いずれも採用に比べてコストが低く、一度仕組みにしてしまえば毎年積み上がっていきます。

まとめ

2025年の人手不足倒産427件のうち、建設業が113件で最多。物流業の正社員不足率は67.1%で全業種トップです。

介護業は公定価格の壁があり、賃上げで対抗できない構造的ハンデを抱えています。

共通するのは「採用競争で勝てない」という現実です。

大手と採用で正面衝突しても、賃金原資の差で負けます。

勝ち筋があるとすれば、「少人数で回せる仕組みを作る」方向です。

業界ごとの対策の詳細は、各クラスター記事をご覧ください。

まずは話を聞いてみたい、という方も歓迎です。

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